《降順版》「牧師とキリスト教メディアによるトランス差別」経過・考察etc
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『風化させてはならじ』
(2022.11.1記)
「牧師とキリスト教メディア幹部職員によるトランス差別事案」は、加害者2名共にある一定の謝罪/悔い改めをみたものの、問題提起当事者の立場として今後もことある毎に語り続けていくべきことだろう。決して「無かったこと」として風化させてはならないと信じる。
「同和問題」にとりくむ宗教教団連帯会議(『同宗連』)が、1979年米国プリンストンでの第3回世界宗教者平和会議(WCRP-Ⅲ)における日本の某伝統仏教大宗派の幹部による差別事件について、今も言及し続けている如く。
1979年WCRP-Ⅲにおいて、日本の部落差別問題について問題提起した人こそ、ワタシが農村伝道神学校在学中に受講した「性差別問題講座」「新約聖書釈義」「神学読書」の担当教官だった東海林勤牧師(1932~2020)である。
東海林牧師は晩年の10数年間を練馬区民として過ごしたのである。
高校2年以降の44年間を練馬区民として生きているワタシにとっては実に不思議な巡り合わせと言えよう。
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第11回『性別二元論を是とする性的マイノリティ関連NPO』
(2022.6.26記)
下記の2センテンスについて皆様方はどう思われるだろうか?
トランス差別をおかした牧師を話し合いの席につかせるべく、牧師の所属宗教法人に向けて2021年4月付けにて送信されたNPOからの申し入れ書の文末に加えられた2センテンスである。
【しかもこの2センテンス、そもそもの問題提起者であるレナには内密で付加されたのである。そう、申し入れ文の責任者たるNPO理事からレナに事前に提示された文面には存在しなかったものである】
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元より、日本の社会・人権・性の運動は、プロテスタント諸姉諸兄の多大なる努力によって育まれて来たことは、わたし共も熟知しております。
これは言わば、仲間内でのトラブルであって、早期・穏便に終結させることを望んでおります。
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①「諸姉諸兄」はキリスト教会用語の「兄弟姉妹」を踏まえたものであり、言うまでもなく性別二元論/男女二分法を奉じたものである。
性的マイノリティ関連のNPOが無批判に用いるべき表現ではない。しかも同NPOの会員である問題提起者レナが性別二元論/男女二分法では収まり切らないジェンダーアイデンティティの持ち主であることを、NPOは知らないはずがない。
これは明らかに問題提起者レナのアイデンティティを軽視し、レナの人権を貶めるものである。
②牧師がおかしたトランスジェンダー差別は『仲間内のトラブル』などという微小な問題ではなく、全てのトランスジェンダーに対する侮辱・侮蔑であり悪質な差別そのものである。
にも拘わらず、『仲間内のトラブル』などという文言を用いて問題を矮小化させんとした、文責者たるNPO理事の意図は一体どこにあるのだろうか?
上記の件について、従来からレナ個人がNPOに対して疑義を伝えた上で話し合いの席の設定を求めているのだが、NPOサイドではレナの求めに対しての何がしかの返信すら皆無である。
さらに今年3月、レナが仲間の牧師と共に運営していいる「セクシュアルマイノリティと宗教を考える会」としての申し入れ文書を送信したのであるが、それについての返信すら何1つ来ない。そのひと月後にも「考える会」として催促のメールを送信してもNPOは無視し続けているのだ。
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第10回追記③『膠着状態から急転直下の明転をみたMVPこそ、福音派系セクマイコミュニティ代表T.Rくんたち若者だ!』
(2022.6.20記)
はっきり言って、レナおよび(キリスト教リベラル陣営のセクマイ当事者代表格の)T.Aくん、そして、くだんのNPOは(無力とは決して言わないが)微力であった。
われわれ3者は問題解決(尤も、完全解決には未だ至り得ず、だと思っているが…)に向けた大きな力には残念ながらなり得なかった。
誰が何と言おうと最高の殊勲者は福音派系セクマイコミュニティの代表T.Rくんと彼の仲間である。
このことはここで明確に謳っておきたい。
彼らの若き力に大いに期待しつつ。
そもそも、われわれキリスト教リベラル陣営以上の「荊棘(いばら)の道」を強いられてきた福音派のセクマイ当事者諸氏なのだから、われわれのような“甘ちゃん”なリベラル派とは根本精神からして段違いなものがあるのだから。
なお、この第10回追記③にて本日のこのページへの投稿は打ち止め。
「牧師とキリスト教メディア幹部職員によるトランス差別」経過・考察etc…の第11回は明日以降となります。
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第10回追記②『恩を仇で返される…とはこのことなのでは?』
(2022.6.20記)
2年前の秋、都下某自治体の議会本会議席上にて保守派議員による同性愛者差別発言があったことは多くの人たちは記憶しておられると思う。
実はあの問題発言があった直後、その自治体の住民で尚かつセクシュアルマイノリティ関連の某NPOの理事から依頼されてワタシの旧知の無所属・市民派の地元議員を紹介した。そのNPOの理事は地元の性的少数者当事者支援者団体の共同代表でもあった。
何を隠そう、そのNPO理事こそが、トランス差別をおかした牧師が所属する宗教法人に宛てた2021年4月付けのメールのなかで、性別二元論/男女二分主義を奉じた上にくだんのトランス差別問題を矮小化させんとする文言を《あろうことか、そもそもの問題提起者たるレナには内密で》書き記した当人なのだ!
問題提起者たるレナは男女二分法ではおさまり得ないジェンダーアイデンティティの者であり、それゆえトランスジェンダーにも該当する者であるのだ。
問題提起当該者たるレナを軽んじる文言を、しかもレナには内密で先方に書送るとは一体全体どんな人権感覚なのだろうか?
しかも、2年前に起こった都下自治体の本会議における同性愛者差別発言事案に関して、地元住民でもあるNPO理事に、旧知の地元議員を紹介したのはこのワタシ、レナである。
例の同性愛者差別発言をおかした議員は約ひと月後に発言撤回と(不十分ながらも)謝罪をした。
こうした成果を勝ち取った背景にはもちろん地元の当事者支援者団体の努力もあるだろうが、ワタシが紹介した旧知の地元議員であるT.Nさんのご尽力・成果も決して小さく無かろう。
そう、ワタシは《恩を仇で返された感》にも苛まれ続けているのだ。
NPOのくだんの理事は地元議員の同性愛者差別発言に対しては強く抗議しつつも、ワタシ、レナやその仲間からの「性別二元論是認・トランス差別矮小化」に関する問い掛け/疑義に対しては無視を決め込んでいるのである。
『恩を仇で返された……』と考えるのは、果たしておかしなことなのであろうか?
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(2022.6.20記)
(2022.6.20記)
以下の「セクシュアルマイノリティと宗教を考える会」名義の2通のメール書簡に対して、NPOからは未だに如何なる返信も未着である。
性的マイノリティの人権を遵守すべきNPOが、レナの人権を軽んじ、踏みにじり続けている現実は如何ともし難い。
そのためにワタシ、レナは昨2021年12月初頭に行なわれたNPOの2理事とくだんの牧師およびくだんのキリスト教メディア幹部職員とのリアルな会合の場への同席を(NPOによって)拒否されて以後、年末/今年年頭あたりからストレスによる不眠に悩まされ続けているのである。
2通のメール書簡を以下にコピーペーストする。ただし、伏せ字を含んでいる。
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NPO法人☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓ 理事会 御中
先日、以下のようなメールを差し上げましたが、お返事をまだいただいてなく、残念に思っております。
そこで、今回は、次の二点を「質問」させていただきたいと思います。
①宗教法人□□□□□□□□教会あての文書中に、「諸姉諸兄」とありますが、このような表現を用いられたのは、どういう理由からでしょうか。
②同じく「仲間内のトラブル」とありますが、このような表現を用いられたのは、どういう理由からでしょうか。
教えてくださいますように、お願い申し上げます。
『セクシュアル・マイノリティと宗教を考える会』
林 巌雄
麗梨ReNa
2022年4月6日
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当会のメンバーであり、なおかつ貴法人の「レインボー会員」の一員でもある麗梨ReNaが問題提起者となった『宗教法人□□□□□□□□教会所属牧師・◇◇◇◇氏と株式会社▽▽▽▽▽▽社代表取締役社長(兼・▽▽▽▽新聞編集長)・◆◆◆◆氏によるトランスジェンダー差別問題』(以下、◇◆問題と略す)に関して、貴法人が宗教法人□□□□□□□□教会宛に送信したところの、◇◆問題における加害者の1人たる◇◇氏に対して謝罪と反省等を求めるメール(2021年4月6日付け)のなかに、問題提起者たる当該のレナには内密で、添付写真の如き2つの問題あるセンテンスが記されておりました。【(注)添付写真のほうはここでは省略します〈レナ〉】
①まず、『諸姉諸兄』という文言は言うまでもなく性別二元主義を是とする言い回しではないでしょうか?
先方の宗教法人に向けた配慮だとしても、「Xジェンダー/ノンバイナリー……等の数多の性別」の人びとへの配慮を欠いたものになっています。ましてや問題提起者の当該レナも上記カテゴリーにカウントされ得るのです。
②そして、『仲間内のトラブル』という文言は、◇◆問題が孕んでいる重大な差別性を矮小化してはいませんでしょうか?
◇◇氏のあの発言とそれを受けて笑い声をあげた◆◆氏の態度は全てのトランスジェンダーに対する侮辱行為に他ならず、『仲間内のトラブル』などという軽い問題などでは断じてあり得ない大問題です。
ゆえに①②のセンテンスは、いずれも問題提起者ReNaの人権を軽んじたものと言わざるを得ません。
そのためReNaとしては、◇◇氏からの十全なる謝罪を未だに受けることが出来ないでおります。
さらに貴法人は、昨年12月初頭の貴法人と◇◇氏・◆◆氏とのリアルな会談の場へのReNaの同席要求を拒否したこともここに記しておかねばなりません。これはReNaの人権軽視の上塗りになるのではないでしょうか?
当会としては以上の件について貴法人へ抗議の上で、心からの謝罪と反省の表明を要請する次第です。
まずは貴法人と当会との間にて話し合いの場の設定が必要かと思われます。
尚、この書面は場合によってはSNSを含めネット上にて公開させて頂くことがあるかも知れません。また、宗教法人□□□□□□□□教会宛に送信させて頂くこともあるかも知れません。
以上
2022年3月7日
『セクシュアル・マイノリティと宗教を考える会』
林 巌雄
麗梨ReNa
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〈本日ここまで!〉
(2022.6.13記)
キリスト教福音派系の或る性的マイノリティコミュニティの代表者のトランス男性(以下、代表と記す)に、かのキリスト教メディア幹部職員によるワタシつまりレナへの仕打ちについて詳しく伝えた。
そう、2021年2月某日都心にあるキリスト教書店のギャラリーを会場に動画ライブ配信される予定の、3人の性的マイノリティ当事者のキリスト者によるトークセッションにおいて、何と、かのキリスト教メディア幹部職員が司会進行役を務めることをワタシが知ったからである。
その3人のキリスト者のセクマイ当事者に、その福音派系のセクマイコミュニティの代表も含まれていた。
当然驚く代表。
果たして予定通りそのまま彼に司会進行役を務めてもらって然るべきか、否か…
代表は一緒に登壇する仲間たちと話し合い、彼にレナから聞いたことを伝えることにした。
代表から事情を伝えられたキリスト教メディア幹部職員はさぞや驚愕しただろう。
しかし、レナに対するあのような仕打ちをしておいて、よくもまあセクマイ当事者たちのトークセッションの司会進行役を務める気になったもんだ……
しかも彼は当月上旬に「宗教界に蔓延る性差別」を指弾する趣旨のオンライン集会の主催者を務め、その数日後には、エキュメニカルな若者たちのグループが主催する性的マイノリティ関連集会の開催にあたっても少しコミットメントしているのである。
当然ながらキリスト教メディア幹部職員は、代表および代表の仲間のシスゲイの若者にレナに対する仕打ちについて厳しく追及された。
そう、レナとT.AくんそしてNPO、以上3者による問い掛けに対してまともに向き合うことをせず、自分の過ちを充分に自覚出来なかったキリスト教メディア幹部職員は、2人のキリスト者の若者の当事者によって初めて自らの差別心を認めざるを得なかったのである。
かくして、かの福音派系セクマイコミュニティの3人若者とレナとT.Aくんとでオンライン会議が催され、かのキリスト教メディア幹部職員をトークセッションの司会進行役を予定通り任せるか、否か…についての協議がなされた。
結果は、予定通り司会進行役を彼に任せる。
ただし、彼がおかしたところの、トランス差別発言シーンを含んだ動画のアップロードにまつわる複数の過ち(もちろんレナおよびT.Aくん、さらにNPOの問い掛けなどを長期間放置したことも含まれる)についての反省告白を生配信動画で流すトークセッションの中でしてもらうことにした。
そして当日、彼はまたしても(トランスジェンダーへの)無理解を露呈することになる。
詳細はここでは触れない。なぜならば、読む人によってはショックを覚えかねない内容だったからである。
〈本日ここまで!〉
PS
今回は書いている途中で大変なフラッシュバックに襲われ、実に暗澹たる気持になったことを記しておきたい。
ワタシの問題提起を長期間放置しつつも、他方では宗教界に蔓延る性差別を指弾する趣旨の集会を主催することが出来てしまうキリスト教メディア幹部職員の無神経・無自覚・無責任には戦慄すら覚える。
しかも彼はさらに続けて、エキュメニカルな若者たちによるセクマイ関連集会開催にコミットメントし、それに更に加えて、福音派系セクマイコミュニティが主催するトークセッションの司会進行役をしようとしていたのだから、唖然とするどころではない。
彼にとっては、そこまでワタシを軽んじていたどころか、 ワタシの人権を幾重にも踏みにじり捲くっていたのだから。
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第6回『急転直下の明転…でも、その前に…』
(2022.6.12記)
2021年2月、オンラインにて次の3つのイベントがさほどの日にちをおかずに行われた。
①宗教界に蔓延る性差別を指弾する趣旨のオンライン集会。
②エキュメニカルな青年層が中心となった性的マイノリティの人権についての講演を中心にしたオンライン集会。(そしてその2人のメイン講師のうちの1人がT.Aくんであった)
③都内のど真ん中とも言える繁華街の中心に立地する伝統的なキリスト教書店にて行われた性的マイノリティ関連のトークセッションを視聴するオンライン集会。
そして、な、何と①の主催者こそ、くだんのキリスト教メディアの幹部職員であった!
さらに彼は、②のオンライン集会開催にも少しコミットしており、ワタシもこの集会にオンライン参加していたが、くだんのキリストメディア幹部職員が参加していたことを確認している。
そして……驚くなかれ……
③において、3人の性的マイノリティ当事者のキリスト者たちによるトークセッションの司会進行役が、かのキリスト教メディア幹部職員であった!
登壇者の3人のセクマイ当事者の若手キリスト者たちは、彼がレナに対して行なってきている仕打ちについて知らないのである。
登壇者3人のうちの2人(トランス男性とシスゲイ)とは旧知の間柄であるレナ。
しかもその2人のうちの1人は、②のオンライン集会にてT.Aくんと共にメイン講師を務めたトランス男性であった。
少なくとも登壇者の彼ら2人の若手キリスト者(トランス男性とシスゲイ)には、かのキリスト教メディア幹部職員の行状を伝えておかねばならない。
「急転直下の明転」の背景には、こうした偶然の重なりがあったことをここで明記しておきたい。
(本日ここまで!)
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第5回『第1~第4回を振り返って』
(2022.6.11記)
・くだんの牧師とくだんのキリスト教メディア幹部職員の対応ぶりが、知名度低き当事者牧師レナと知名度高き当事者牧師T.Aくんとで大きく異なることに疑問を感じざるを得ない。
・いくらレナの知名度が低く、2人にとって見ず知らずの者であったとしても、それこそ2人がよく知るT.Aくんに連絡を取り、『レナと名乗る人から封書をもらったのだが……』と問い合わせれば、T.Aくんは即座に『私の同窓のセクマイ当事者です』と応じてくれたろうに、なぜ2人は揃いも揃ってそれすらしなかったのか?
そもそも従来セクマイフレンドリーな対応を各種紙面誌面や各所においてとってきた2人ではなかったのか? そんな2人がなにゆえ当事者からの問題提起を放置したのだろうか?
・T.Aくんが2人に対して『レナさんからお二人に発せられた件について、私とお二人とで会いましょう』と打診したところ、間もなくその日程が決まったことをT.Aくんから伝えられた時、『ワタシ(レナ)は二人に軽んじられてるのだろうな』という印象を覚えざるを得なかった。
・事案はトランス差別問題である。なにゆえ非トランスのT.Aくんの要請に対しては2人とも即座に応えて来たのだろうか?
これも『性的マイノリティ・カテゴリの最大多数派なおかつ“最強者”とも言えようシスゲイこそがあらゆる性的マイノリティカテゴリを代表する存在。シスゲイこそが他の性的マイノリティ・カテゴリの上に立つ存在』という社会一般的な認識(レナとしてはそれは誤認と思いたし)と無関係なのだろうか?
〈男性同性愛者であることを公言した日本で最初の牧師〉として、日本のキリスト者セクマイ当事者として随一の知名度があるT.Aくんであるとしても。
【ちなみに彼を牧師として世に送り出した組織(農村伝道神学校)の一員として《しかも彼が教団上層部からイレギュラーな性的指向を理由とする就労差別発言を受けた際、教団上層部に連名の抗議文書を送付した在学生有志の一員として》のプライドは常に持っているワタシ(レナ)である】
〈本日ここまで!〉
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第4回『NPOとしての取組開始するも…壁は厚く…』
(2022.6.10記)
ワタシ(レナ)およびT.Aくんの力を以てしても問題解決の道はまたまだ遠い状況だった。
そこで、レナが所属している性的マイノリティ関連のNPOへの相談。結果、この問題についてNPOとして正式に取り組んでゆくことを同NPO理事会が決定する。
NPO内での協議を経て、くだんの牧師とくだんのキリスト教メディア幹部職員に対して書類を2人それぞれに宛て、同一文面でそれぞれに送付した。2019年の秋のことである。つまり、レナによる最初の問題提起の封書送付から既に10ヶ月近く経っていた。
NPO名義の封書の内容は、2019年1月付けにてレナ個人名で2人に宛てた書面のコピーとその数週間後にレナが2人に宛てた返信催促文のコピー、そしてレナが書いたそれまでの事案の経過、およびレナとNPOで書いた要請事項3項目。これらをNPOが書いた送り状を付けて配達証明付でNPOから郵送した。
ちなみに、レナおよびNPOが要請したのは以下の3項目。
① ふたり(特に牧師) には大いに反省してもらい、 二度とこうした発言を控え るよう約束してほしい。
② くだんの動画中の牧師の発言と、 それを受けて笑い声を発したキリスト教メディア幹部職員のフォローぶりに ついて、レナ、牧師、キリスト教メディア幹部職員、 NPOのメンバーが同席の上、 話し合いの席の設けていただきたい。 もしくは合同によるイベント開催をお願いしたい。
③ 2人ともキリスト教界においては名が通った存在ゆえ、今後は自らが犯した過ちを充 分に踏まえて頂き、 キリスト教界に未だに蔓延る 「性的マイノリティへのヘイト体質」 を糺すべく 今後の努力を心から期待したい。
NPOが指定した返信期限を過ぎた2019年12月中旬、キリスト教メディア幹部職員からNPOに対してメール返信があった。が、しかしその文面はまことに簡単なものであり、誠意を感じるものではなかった。
つまり、
『1、3については確かに承りました。 2については対応しかねます。以上、よろしくお願いいたします。』(ママ)
ということのみの返事。
たったこれだけである。誠実さのカケラも感じない……。唖然とするより他はない。
かたや、牧師の方からはいつまで待っても何らの返信も無かった。
以後数カ月間、このままの状態が続く。
翌2020年3月頃、先述のT.Aくんを通じ、牧師にレナと会う機会の設定の打診をするも、牧師がT.Aくんに託した言葉は『レナさんとは会いません』ということだった。
そしてそれに続いてレナがT.Aくんから知らされたことは、『牧師は、2019.6.24の3人(つまりT.Aくん/牧師/キリスト教メディア幹部職員)で会って、動画を視て自分の差別言辞に気付かされて反省の弁を述べ、動画がネットから消去されたことで万事解決と思っていた』ということだった。
T.Aくんから上記の報告を受け、レナはまたさらに唖然としてしまった。
以後、1年近く今後の打開策不明のまま“膠着”状態が続き、それゆえレナのメンタルヘルスもどんどんと低調になってゆく。
しかしもちろん、常にこの事案のことは頭から離れなかった。
そして明けて2021年2月、レナによる2人に対しての最初の封書送付から2年1ヶ月が過ぎた頃、事案は急転直下の明転をみることになる。
レナ&T.Aくん、さらにはNPOの力を以てしても埒があかなかったこの事案は、キリスト教福音派系のと或る性的マイノリティコミュニティの若きセクマイ当事者2人の力が大いに発揮されたのであった。
〈本日ここまで!〉
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第3回『問題動画は削除されたものの……』
(2022.6.9記)
誤解されては困る。レナが頼んだ訳では断じてないのだがT.Aくんは自分の意志で、くだんの牧師およびくだんのキリスト教メディア幹部職員と2019.6.24(月)に会い、3人て2時間半ほど話し合いを行い、後日レナはT.Aくんから以下の如く報告を受けた。
要点のみをかいつまんで記す
以下、T.Aくんによる報告
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24日の午後、〇〇〇の☓☓☓教会で二人と会った。
最初、牧師はレナから何を問われているのかが実際には十分分かっていないようだということが分かった。
《理由は省略します(レナ)》
そこで、くだんの牧師に「トランスジェンダーの人を貶める発言が動画に載っていて、とても傷ついている人がいる」ということを伝え、
①トランスジェンダーの人がそこにいた、ということを笑いのネタとして話すことは、トランスジェンダーは笑われてしかるべきという差別に基づく。
《まだ複数の問題点の提示がT.Aくんからなされたのであるが、あまりにもトランスジェンダーへの偏見が非道すぎることに触れた内容ゆえに、読む人によっては大きなショックを覚えかねないので省略します(レナ)》
②実際に二人には動画を視てもらった。視るまでは「そんなに人を傷つけるようなことを言ったのだろうか」と考えあぐねていたが、動画を見て、「これは明らかに笑いを取ろうとして言っている」ということに気付き、牧師は初めて自分の発言について向き合っていた。
③そのあと、どういう対処をするかについて話し合った。例えば動画を消すことについて、「読者や視聴者からこう言われたから消す」というのはあまりにも主体性がないし、そういうことをいちいちやっていたら何もできない。けれど今回は明らかに、MTFトランスジェンダーを馬鹿にして笑っている発言である。
『この動画はこれ以上広げてはならない』
という結論になった。
そしてくだんのキリスト教メディア幹部職員が何か所かに連絡し、動画を消すことになった。
④ただ、何故動画を削除したのか、ということについては、どこかで説明が必要ではないだろうか、あるいは、「こういう発言をして動画にまで載せた事があるが、それはトランスの人を深く傷つけることだった」といった文章を、牧師がどこかに書けるだろうか、といった話になったが、これは私(T.Aくん)から「したほうがいい」とまでは言ってあるものの、どうするかは、くだんの牧師に今後丁寧に考えてもらう、ということになった。
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
以上、T.Aくんによる報告
まず、冒頭の以下のくだりについて
『24日の午後、〇〇〇の☓☓☓教会で二人と会った。最初、牧師はレナから何を問われているのかが実際には十分は分かっていないようだということが分かった』
→こちらは2019年1月付けたの最初の文面にて、動画における問題シーンのタイミングまで記していて、なおかつ《トランスジェンダーの方をあたかも揶揄するような発言をされております》とまことに丁寧に記しているにもかかわらず、「レナから何を問われているのか実際には十分に分かっていない」とは、こちらとしては呆れる他はない……
続いて、③について。
『「こういう発言をして動画にまで載せた事があるが、それはトランスの人を深く傷つけることだった」といった文章を、牧師がどこかに書けるだろうか、といった話になったが、これは私(T.Aくん)から「したほうがいい」とまでは言ってあるものの、どうするかは、くだんの牧師に今後丁寧に考えてもらう、ということになった』
→だとしても、その後、くだんの牧師からは何の連絡も来ていない。そう、T.Aくんによる「したほうがいい」というアドバイスを彼は聞き流していたことになる。
まさか彼(くだんの牧師)は、「動画が削除されたのでもうそれで一件落着」とでも思っていたのだろうか?
牧師もしくはキリスト教メディア幹部職員から何がしかの反応がレナの元に来るだろうという期待は、暫く待ち続けても空振りでしかなかった。
あとでわかったのだが、(少なくとも)牧師のほうは、2019.6.24の際に「問題の動画も消したし、自らの差別言辞も(T.Aくんに対しては)認めたし、これで全て解決」と思っていたらしい。
このことは2020年3月あたりにT.Aくんがくだんの牧師と連絡をとってわかったことであり、T.Aくんはその旨レナに伝えた。
〈本日ここまで!〉
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第2回『やむなく仲間に相談』
(2022.6.8記)
2019年1月の最初の封書に対する返信催促をしたためた封書を某牧師と某キリスト教メディア幹部職員に送付し、さらに数週間経っても相も変わらず彼ら2人何れからも何らの返信が無いことに業を煮やしたレナは、2人宛にTEL。
まず、牧師の赴任先教会にTELするも不在。TELの相手に言付けし、折返しのTELをお願いする。その際、2度封書を送付させてもらったレナという者であることをTELの受け手に伝えた。しかし当人からは折返しのTELは来ず。
( 後日、同様のヤリトリをしても、肝心の当人からの折返しTELは無し。2,3度繰り返しただろうか)
キリスト教メディア幹部職員は会社に出勤中でTELに出てくれたのだが、彼の返事は
『この件についてサシ(つまり彼とレナとの一対一)で話合うことにはヤブサカでは無し。ただし牧師を交えてとなると多忙を極めている当人ゆえ、それは何とも…。出来れば一対一で話しあいたい』
レナとしては、
『3人での話し合いでないと意味がない。ましてや当の問題発言の主は彼(牧師)である。そちらで彼と連絡をとって適切な日時を設定してもらえないだろうか?』
と伝えても、キリスト教メディア幹部職員の彼の返事は『それは出来ない。そちら(つまりレナ)で段取って欲しい』の一点張り。
これは牧師からのTELを待つより他は無い。
しかし牧師の教会あてに2、3度催促するも全く折返しのTELは無い。
後日、レナは「セクシュアルマイノリティと宗教を考える有志の会」主催で2018年8月に都内の教会で開催した集会【最下段に当日の集会チラシのURLを貼り付けてあります】の仲間である当日の司会進行役H.Iさんと、当日のレナの対談相手であり、レナと共に発題したT.Aくんに対して、今回の件についての経緯を伝えた。
なお、T.Aくんはレナの神学校時代の同窓であり、レナからみたら「7つ年下の1年先輩」である。彼が1998年に教団上層部からイレギュラーな性的指向に関わる就労差別発言を受けた際、同窓の学生有志たち(レナもその中の一員)は、教団上層部に向けて抗議の書面を送付したのであるが、その中で唯一の性的マイノリティ当事者がレナであった。(T.Aくんとはカテゴリこそ大きく異なるものの)
https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiQutaDify8XBwcT1jADk66kIhpquujydCtS7517CDsSPZOXq7NBNOIqN8JCM9dWKxchuOb4wv70mWyI1OMWAdCu5kkCNPP3mU8vQN2ZSPuTDl3d66ASeWIOGVmtpA-jkqY72Uies7AOch7-EEgoWH9tJvtn56jUpZMB0QSzAWIPx_Mx6U4a_THyx_f/s1517/image_6487327%20 (5).JPG
〈本日ここまで!〉
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第1回『問題の気付き』
(2022.6.7記)
2018年とあるインターネット動画サイトにおいて某キリスト教メディア幹部職員がアップした或る動画の中で、或る教団所属の某牧師によるトランスジェンダーを侮蔑/差別する言辞がなされたシーンがあることにレナが気付く。
しかも、その場にてくだんの牧師の対談相手でもあった動画のアップロード主たる某キリスト教メディア幹部職員は、牧師の問題発言に対して疑問を呈することをせず、それどころかそのトークセッションの聴衆らと共に(牧師の問題発言に呼応して)笑い声をあげていた。
これを問題視したレナは、問題発言をした某牧師および動画のアップロード主たる某キリスト教メディア幹部職員に対して、二人(連名)に宛てて同一文面の封書を郵送した。
その内容をかいつまんで記せば、
「(2016年のトークセッションの模様を丸々収めた動画のなかで)、某牧師はトランスジェンダーのかたを揶揄するかのような発言をしている。そして彼の発言を受けて、某キリスト教メディア幹部職員は数名の(トークセッションの)聴衆と共に笑い声をあげている。この件について、お二人と直接お会いして(3人で)話し合ってみたい。ついてはまず書面にてのご返事をお願いしたい」
ということになろう。
この書面を二人宛に投函したのは、2019年の1月のことである。
しかし、その後、数週間を経てもいずれからも何らの返信をもらえないでいたので、レナは返信催促を書面にしたためた封書を二人に郵送した。
〈本日はここまで〉
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